私は、人生の半ばを過ぎてもう一度恋をした。名前は美和子。53歳。3年前に離婚して、一人の時間を楽しんでいたけれど、最近、心の隅に寂しさが忍び寄ることが増えた。私の再婚活動は、そんな寂しさを埋めるための冒険だった。 「さて、今日もまた、このマッチングアプリでいい人がいないかしら」と、朝の光が部屋に差し込む中、スマホを手に取る。画面をスワイプするたび、ドキドキと緊張が胸を高鳴らせる。そして、その日、彼に出会った。年齢は私とほぼ同じ。笑顔が素敵で、趣味が合いそうなプロフィール。メッセージを交わすうちに、彼との距離が急速に縮まっていくのが分かった。 「こんなに早く心が動くなんて、私まだまだ女性として終わってないわね」そう思うと、自分でも驚くほど胸が躍った。 初めてのデートは、公園で。マスク越しに交わされる視線が、何故だかとても刺激的だった。「美和子さん、笑うと目がキラキラして、とても綺麗ですね」と彼が言った時、私の心は乱れ飛んだ。 しかし、心の中には葛藤もあった。「本当に私でいいの?また誰かに傷つけられるのではないか」という不安。それでも、彼と過ごす時間は、それらの不安を忘れさせてくれた。 デートが重なるごとに、彼への欲望と興奮は高まっていった。「こんなに誰かを求めたくなるなんて…」と自分でも驚くほど。でも、それ以上に彼を知りたい、もっと深く繋がりたいという気持ちが強くなっていった。 「美和子さん、俺と、もう一度人生を歩んでくれませんか?」彼がそう言った時、私の中の全てが「はい」と叫んだ。不安や葛藤、それら全てを包み込むような、温かい愛情を感じたのだ。 再婚活動は、私にとってただのパートナー探しではなかった。自分自身と向き合い、成長する過程だった。そして、今、新たな人生の扉を開く準備ができている。 「人生、何度でもやり直せる。大切なのは、前に進む勇気を持つことね」と、私は心の中で囁く。そして、彼の手を強く握りしめた。 彼の手を握ったその瞬間、私の中で何かが変わった。それは、長い間閉じ込めていた自分自身への信頼と、未来への希望だった。 「本当に大丈夫かしら…」私の心はまだ不安で一杯だった。再婚に向けて進むことは、新しい幸せへの一歩だと信じていたけれど、過去の失敗が頭をよぎる。しかし、彼との時間は、その不安を少しずつ溶かしてくれた。 私たちは手を繋ぎながら、ゆっくりと公園を歩い