六十二歳になった今も、私は鏡の前に立つたびに「まだ女でいられるのかしら」と問いかけてしまいます。 肌には年齢を隠せないしわが増え、髪には白いものが混じり始めました。だけど――心はまだ、若い頃と同じようにときめきを欲している。 https://youtu.be/DiJ31kufeNE ある日の午後、私は友人に誘われて市民文化センターの講座に出かけました。陶芸教室。そこで出会ったのが、十歳年下の講師、浩介さん。 分厚い手で土を扱う姿。穏やかで落ち着いた声。作品を仕上げるときに見せる真剣な眼差し。 気づけば私は、彼の動きひとつひとつを追いかけていました。 「ここ、指をもっとしっかり添えるといいですよ」 彼が背後から手を伸ばし、私の手を包み込む。その瞬間、胸の奥に熱が走りました。 六十二歳の私が、四十代の男性に触れられてこんなにも揺れるなんて――。 家に帰ってからも、彼の手の感触が消えません。 「いけないわ、もうおばあちゃんになろうとしているのに…」 そう思っても、頬に浮かぶ赤みは消えない。むしろ、若い頃のように眠れない夜を過ごすなんて。 次の教室。私は気合を入れて、お気に入りのレースのブラウスを身につけました。 「先生、今日の作品はどうかしら?」 彼が微笑む。「とても柔らかい形ですね。…なんだか、あなたに似ています」 その言葉が甘く胸に突き刺さる。 六十二歳の私に「似ている」と言われて、ときめかないはずがないのです。 教室が終わり、片づけを手伝っていたとき。 「よかったら、このあとお茶でもいかがですか」 彼の何気ない誘いに、心臓が跳ねました。 カフェの窓際。穏やかな会話の中で、彼はこう言ったのです。 「最初にお会いしたときから、不思議に惹かれるものを感じていました」 理性が叫びます。――娘より年下の彼。 だけど、女としての私の心は震え、渇いた土が雨を吸うようにその言葉を受け入れてしまうのです。 帰宅して、夜。 ひとりベッドの中で彼の言葉を思い返し、私は女である自分を確かめるようにシーツに身を沈めました。 六十二歳。もう恋など関係ないと思っていた。 けれど、女性として誰かに必要とされたい、抱きしめられたい――その欲望は、消えるどころかますます鮮やかに燃え上がっているのです。 「まだ女でいた...