これは俺が高校のときの実話っすよ。夏休みで、みんなで肝試しに行くことになったんだ。廃校とかよくあるシチュなのに、うちの連中はもっとドキドキしたいってことで、近くにある古い神社まで夜中に忍び込んだんだよ。
場所は相当ゴツい山の中。懐中電灯持って、お互いビビりながら歩いてったわけ。で、ついに神社に着くと、まあ見ためがもう完全にホラーのセットみたいなんだ。朽ちた鳥居とか、古い石灯籠、藤が生い茂っててムードたっぷり。
で、何とか背筋をシャンとしてお参りするフリしてみんなで記念撮影、それはもうバシバシフラッシュ焚きまくりでね。肝心の心霊現象なんてさらさらなかったから、「大したことねえな」と思いながら家に帰ったんだ。
んで、家に帰ってからその写真を確認してたらね、一枚だけ異様な写真があったってわけ。みんながニコニコしてるんだけど、後ろの神社の階段に長い髪の女がぼんやりと座ってる写真があったんだよ。確実に俺たち以外、そこには誰もいなかったんだ。冷や汗ものだったよ。
でも、まあ肝試しだしトリックかもしれねえと思ってた矢先、凍りつくようなことがあったんだ。その翌日、持ってたデジカメごとそのファイルが消えてたんだよ。しかもその日から、夜な夜な誰かが俺の部屋の窓を叩く音がするようになったんだ。確かめる度に、そこには決まって誰もいない。まるでその写真の女が俺を...もういいや、考えただけでもゾッとするわ。
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