「ありがとうね、わざわざこんな遠くまで…」
そう言って義母は微笑んだ。
まるで年齢を忘れさせるような、柔らかくて、どこか少女のような笑顔。
ワイは母の日のプレゼントを手渡しながら、少し照れていた。
義母は父の再婚相手で、ワイにとっては血の繋がらない“母”。
だけど――“美しい女性”として、意識してしまう瞬間があるのも事実だった。
その日、義母は一人暮らしの家でワイを迎えてくれた。
家に入った瞬間、ふわっと香った花のような匂い。
それは柔軟剤ではなく、彼女自身の香りだったのかもしれない。
「夕飯、食べていく? あなたの好きな煮物、作ってるの」
そう言われたら断れない。
それに、少しだけでも長く一緒にいたい…そんな気持ちもあった。
食卓には心のこもった料理が並んでいた。
煮物に、だし巻き卵、春キャベツの浅漬け…。
ひとつひとつが、まるで家庭そのものの温かさを感じさせた。
「いっぱい食べてね。あなたのこと、ちゃんと見てるのよ」
何気ない言葉だったのに、なぜか胸がざわついた。
食後の時間は、静かだった。
テレビもつけず、二人でお茶をすすりながら、昔話に花を咲かせた。
義母の笑い声が、耳に心地よく響く。
時折、視線が合うたびに、ワイはなぜかまばたきが増えてしまった。
「……あのね、今日は帰らなくていいのよ? お布団、出してあるから」
その声に、ワイは一瞬だけ戸惑った。
だけど、断る理由もなく、ワイはうなずいた。
夜。
薄明かりの中、義母は湯上がりの髪をタオルで軽く巻いた姿で部屋をのぞいてきた。
その姿に、ワイの鼓動は少し速くなった。
白い浴衣が肌にしっとりと寄り添っていて、すべてを包み込むような優しさと、どこか隠しきれない艶を放っていた。
「……眠れそう?」
その一言に、ワイはうなずくしかできなかった。
義母の手が、そっとワイの肩に触れた瞬間――
胸の奥で何かがふっとほどけたような気がした。
「ありがとう。来てくれて。本当に、うれしかったの」
その言葉が、耳の奥で何度も反響する。
たった一言なのに、深く、熱く、心に染みた。
その夜、ワイはなかなか眠れなかった。
ふすま越しに聞こえる義母の寝息。
一緒の家で、たった二人。
あの夜を、忘れることはない。
それはただの母の日じゃなかった。
ワイにとって――
彼女が“義母”ではなく、“一人の女性”として胸に刻まれた夜だった。
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