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「やり投げ」を「やり逃げ」と読み間違えたパートの人妻を食事に誘って「食い逃げ」した職場の男


「やり投げ? ああ、やり逃げか…って、違うだろ!」  

奈美さん、いつもどおりのパート勤務で、あの柔らかな笑顔を浮かべながらそう言った。店内の明かりが彼女の頬をほんのり照らしていた。見とれるぐらい、肌がきれいだなって、毎回思う。けど、この日だけは違う。俺の心の奥に、別の感情が渦巻いていた。


「やり逃げって、どういう意味か知ってる?」と、つい茶化してしまった。彼女は驚いたように目を丸くしてから、笑いながら「いや、そんなの詳しくは知りませんよ!」と応じる。その声が耳に心地よかった。


奈美さんは、子供もいるし、旦那もいる。知ってる。家庭がある、だからこそ――余計に惹かれてしまうんだ。


**――誘ってみよう。**


気づいたら言葉が出ていた。「奈美さん、仕事終わったらご飯行かない?」  

最初は驚いていた彼女も、すぐに微笑んで「ええ、いいですよ」と頷いた。それがきっかけだった。


夜の街を抜け、俺たちは小さなイタリアンに入った。店内は薄暗くて、ロウソクがテーブルをほのかに照らす、いかにもカップル向けの場所だ。こんな場所に人妻を連れてくるなんて、俺は何をしてるんだ? そう思いながらも、心のどこかで楽しんでいる自分がいるのがわかった。


「店長、こんなにおしゃれなお店、来たことないです」  

奈美さんは少し緊張しているようだった。その表情がまた、俺を刺激する。  

「たまにはいいでしょ? こういうの、楽しんでくれたらいいんだけど」  

そう言って、俺はワインを勧めた。彼女がグラスを手に取って口に運ぶ姿に、俺の視線は自然と釘付けになる。彼女の唇がグラスに触れるその瞬間、なぜか全身が熱くなる。


ワインが少しずつ減っていくと、話も少しずつ打ち解けてきた。彼女の家庭の話、仕事の愚痴、子供のこと。聞いているうちに、俺の中で抑えきれない欲望が膨らんでいく。  

「奈美さんって、本当に優しいよね。いつも家のことも頑張ってるし」  

「いやいや、全然。毎日いっぱいいっぱいですよ」  

その言葉に、彼女が家庭にどれだけ縛られているのかが、透けて見えた。だからこそ、もっと自由にしてあげたい――そんな感情が湧き上がる。


「もっと自分を大事にしていいんじゃないかな」俺はそう言って、彼女の手をそっと取ろうとした。だが、その瞬間、奈美さんの視線がふっと下がり、俺の心は少し揺らいだ。


「でも…私、家族がいるし、なかなか難しいですね…」  

彼女の声には、どこかためらいが混じっていた。そのためらいが、逆に俺を奮い立たせる。  

「奈美さん、今夜くらいは家庭のこと忘れて、楽しく過ごそうよ。ね?」  

彼女は少しの間沈黙してから、軽く頷いた。その瞬間、俺の心は勝利感で満たされた。


食事が終わり、ワインもすっかり飲み干して店を出た。夜風が冷たくて、二人で並んで歩くその距離がやけに近く感じる。駅までの道を歩きながら、俺は何度も次の言葉を選ぼうとしていた。


「今日は本当に楽しかった。また、こうして一緒に出かけたいな」  

俺はそう言いながら、ふと彼女を覗き込んだ。奈美さんは少し微笑んでいたが、その笑顔の奥には複雑な感情が見え隠れしていた。


駅に着くと、彼女は急に立ち止まり、俺の方を見て言った。  

「店長…実は、ちょっと…お会計、まだだったんじゃないですか?」  

その言葉に、俺は一瞬ギクリとした。しまった――と心の中で叫ぶ。でも、もう後には引けない。


「大丈夫、大丈夫。あの店、ちょっとした知り合いがいるから、今度まとめて払うってことにしてあるんだよ」  

適当な言い訳が口をついて出た。  

奈美さんは、少しだけ不安そうな表情を浮かべていたが、深く追及はしてこなかった。それに安堵しながらも、心の中ではそのまま食い逃げしてしまった罪悪感が膨らんでいた。


**――でも、彼女と過ごしたこの時間が、俺には大事だった。**


帰り際、奈美さんは小さく微笑んで「今日は本当にありがとうございました。また誘ってくださいね」と言ってくれた。だが、その言葉に俺は内心焦りながらも、何とか微笑み返した。


家に帰り、ベッドに横たわってからも、あの夜の出来事が頭から離れない。食い逃げしたことへの罪悪感よりも、彼女との時間をもっと持ちたいという欲望が、俺の中で膨れ上がっていた。


魅力的な人妻






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