スキップしてメイン コンテンツに移動

五十歳、まだ女でいたい ― SNSの向こう側


 娘に勧められて始めたSNS。最初は料理の写真や庭の花を載せるだけのつもりだった。
 でも、ある日「いいね」をくれた一人の男性――アカウント名は“蒼”という若い人だった。何気ないコメントのやり取りが、いつの間にか毎晩のように続くようになった。

https://youtu.be/xcNt_Mmc5_8


 「今日の写真、すごく綺麗ですね」
 「奥さんが撮ったんですか?」
 そんな軽い言葉に胸がふっと温かくなる。夫とはもう長く、こんな他愛ない会話さえ減っていたから。

 蒼くんは三十代前半だという。少し無骨で、でも優しい言葉づかい。
 「あなたの文章、なんだか落ち着くんです」
 その一言が、どうしてこんなに嬉しいのだろう。画面の向こうの彼に、ほんの少しだけ“女として”見られている気がした。

 やがて彼が送ってきた一枚の写真。コーヒーを片手に、夜の街を見下ろす横顔。
 その光景が、なぜか私の心を掴んで離さなかった。
 ――会ってみたい。
 そう思った瞬間、自分の中で何かが音を立てて揺れた。

 現実の私は五十歳、妻であり母。でも、スマホの画面を見つめる指先だけが、まだ恋をしている。
 SNSの向こう側にいる彼に、惹かれてはいけないとわかっているのに――。



コメント

このブログの人気の投稿

触ってないのに、奥が熱くなってるって言われた

スタジオジブリ作品を米放送局HBOマックスがストリーミング配信

叔母と俺の「ひと夏の経験」――忘れられない夕立の午後

50歳からの体力と仕事に対する考え方と後悔

奥さん…そんな顔、誰に見せるつもりだったんですか?

The story of Taro Urashima, a Japanese folktale

人間関係がめんどくさいときの対処法 - ストレスを軽減する5つの方法

第92回アカデミー賞の視聴者が20%減少オスカーは史上最低の評価を記録しました。

PS4リモートプレイアプリをダウンロードするだけでXperia以外のAndroidでも利用可能

【大人向け朗読】夜の秘密…奥様が語る少しエッチな物語|ちょっとHで眠れなくなる朗読ストーリー